きゅーいちのあれ(仮)

だいたい野球のこと

秋季群馬県大会3回戦 桐生第一―前橋 流れを渡さず、1年生エース躍動

桐生第一の先発は2年生右腕の髙橋翼。初回、前橋の2番高橋がヒットで出塁すると、何度も偽走をしかけ、バッテリーにプレッシャーをかけます。3番相原の場面でランナーの高橋が投球前にスタートし、髙橋翼は気付かず投球。キャッチャーがボックスから前に出てしまい、打撃妨害をとられ、1アウト1,2塁のチャンスを作ります。しかし、動揺せずに4番須藤、5番吉田を打ち取り、0で切り抜けます。

 

前橋の先発は小池。3塁側のプレートを踏み、アウトステップ気味に力強いストレートを投げる右腕です。初回ボール先行ながら、0で抑えます。

 

桐生第一は2回。先頭の4番立石がヒットで出塁すると、5番伊藤も四球で繋ぎ、6番大沢はバント。3塁へ送球しますが、これが大きく逸れ、2塁ランナーがホームイン。相手の失策で先制します。7番岡崎がさらに犠牲フライ1点を追加します。

 

前橋は直後の3回表。先頭の9番真下、1番阿久澤の連打でチャンスを作り、2番高橋のバントで1アウト2,3塁とします。3番相原は打ち取られますが、4番須藤レフトへのタイムリで2人が還り、すぐさま同点とします。

 

同点とされた桐生第一は4回裏。先頭の8番内田がヒットで塁に出ると、送りバントと四球で1アウト1,2塁のチャンスを作ると、2番髙橋昂センターへのタイムリ勝ち越します。

 

勝ち越したあと、桐生第一は髙橋翼から1年生エース本木にスイッチ。今年は桐生第一が若駒杯を制し、その原動力となったのが本木です。右のオーバーハンドでキレの良いスライダーが武器です。

 

この本木がしっかりとエースの役割を果たします。5回、6回、7回と0を並べていきます。前橋の小池も4回まで7四死球と乱れていましたが、5回から3イニング連続3者凡退のイニングを作ります。

 

8回表、前橋は先頭の4番須藤が今日3本目となるヒットを放ち、5番吉田が送りバントで得点圏に進めます。この試合初めてピンチを背負った本木ですが、6番中村をセンターフライ。7番桐生の代打越善もスライダーで三振に打ち取り、ピンチを脱します。

 

ピンチを凌いだその裏、1アウトから7番岡崎が2ベースと相手のエラーで3塁に進み、8番内田は四球と盗塁で1アウト2,3塁のチャンスを作り、9番本木サードへの高いゴロ。フィルダースチョイスと悪送球で2点をいれ、ようやく待望の追加点を取ります。

 

9回、本木は2アウトから死球でランナーを出しますが、2番高橋をセカンドライナーに打ち取り、桐生第一が15年秋以来のベスト8進出しました。

 

前橋はよくバッテリーを揺さぶってきて、8本のヒットを打ちましたが、後1本が出ませんでした。先発の小池は勢いのあるストレートを投げていたので楽しみです。

 

桐生第一は4安打でしたが、本木が5回を無失点で抑え、期待に応えました。次は前橋商と対戦ですが、どんなピッチングをするのか期待します。

 

秋季群馬県大会3回戦 高崎城南球場

前 橋 002 000 000|2 小池(8)

桐生一 020 100 02X|5 髙橋翼(4)、本木(5)

 

  前 橋  打安点   桐生第一  打安点

8  阿久澤 410  4  丸 岡 200

4  高 橋 420  (4)新 島 100

6  相 原 400  8  髙橋昂 511

7  須 藤 432  3  金 田 400

93 吉 田 400  9  立 石 210

5  中 村 400  2  伊 藤 200

3  桐 生 300  3  大 沢 400

(H)越 善 100  7  岡 崎 311

(9)早 川      (7)工 藤

1  小 池 310  6  内 田 210

(H)桑 原 100  1  髙橋翼 100

2  真 下 210  (1)本 木 201

(H)大 澤 100  

 

投手成績

前 橋 回  安四三責 桐生第一 回  安四三責

小 池 8  4832  髙橋翼 4  5112

             本 木 5  3140

 

 

秋季群馬県大会3回戦 商大附―前橋商 相手のミスを逃さず集中打

 前橋商の2年生は若駒杯(1年生大会)を制した代の選手たちで前チームからレギュラーで残る選手も多くいる経験値豊富なメンバーです。一方の商大附も今年の若駒杯では1年生が準優勝を成し遂げるなど、この試合でも4人がスタメンに名を連ねました。

 

商大附の先発は2年生のサウスポー。オーバーハンドから大きく曲がってくるカーブとストレートのコンビネーションで勝負してきます。

 

前橋商は初回、1アウトから2番吉田晃がライトへのフライを落球し、2塁へ。3番吉田蓮もショートへのゴロもこれも弾き連続エラーで1,3塁のチャンスを作ります。4番の戸塚がきっちりライトへの犠牲フライを放ち先制。畳みかけたい前橋商はさらに5番岩崎がレフトへの2ベースで出塁し、1アウト2,3塁とすると6番1年生の市場レフトへの2点タイムリ3点を先制し主導権を握ります。

 

前橋商の先発は1年生エースの澁澤。縦に落ちる変化球が武器の右腕です。

 

早めに追いつきたい商大附は2回裏。先頭の5番高杉がライトへの滞空時間の長いホームラン1点を還します。続く3回裏には、1アウトから1番狩野がヒットで出塁し、2番飯塚は送りバントでピッチャー前に転がし、これを澁澤が取れず、1アウト1,2塁のチャンスを作ります。しかし3番川口は変化球で三振。4番本多もショートゴロに倒れ、ここは澁澤が凌ぎます。

 

ピンチを凌いだ前橋商は4回表先頭の6番市場の打球をショートがファンブルし、出塁。7番温井がライトへのヒット、8番新井は四球で出塁し、0アウト満塁のチャンスを作ります。9番澁澤は倒れますが、1番都丸がレフトフェンス直撃の走者一掃イムリー3ベース3点を追加します。

 

商大附はここで黛から1年生右腕の遠藤に交代。その遠藤から2番吉田晃センターへの犠牲フライでさらに1点を追加。ランナー無しとなり、3番吉田蓮、4番戸塚が連打で再びチャンスを作ると、5番岩崎センターへのタイムリこの回5点を入れます。

 

すぐに追いつきたい商大附は4回裏2アウト1塁から8番小林の代打澤田がセンター前ヒットでチャンスを広げると、9番遠藤右中間へ落ちるタイムリ2点を還します。さらに続く5回には澁澤から代わった右サイドの松村から1アウト3塁のチャンスを作り、4番本多犠牲フライでさらに1点を還します。

 

徐々に差を詰められる前橋商でしたが、6回4番戸塚が遠藤のストレートを捉え、ライトへのホームランで再び差を広げます。1点を奪われた松島でしたが、6回には2つの三振を奪い、この試合初めて3者凡退で終えると、7回も0に終え、商大附の流れを切ります。

 

前橋商は8回、3番手の左サイドの前島を攻め、5番岩崎、6番市場、7番温井の3連続タイムリーで3点を加え、12点とします。8回裏、前橋商は松島から1年生右腕の佐藤に代わり3つの三振を奪い、8回コールドで前橋商がベスト8進出となりました。

 

商大附は4つのエラーのうち3つが得点に絡んでしまい、そこが悔やまれます。2点を取られましたが、商大附の2番手遠藤は180センチの長身から投げ下ろすストレートに威力があり、前橋商打線がほとんど詰まらされていました。まだ1年生ですのでこれからどれだけ伸びるのか楽しみです。

 

前橋商は2番手の2年生松村が商大附打線をしっかりと封じ込めたのがよかったです。次の試合では先発もあるのではないでしょうか。夏も見て思いましたが、キャッチャーの岩崎は卒業後もレベルの高いところでプレーができそうな印象です。今日も3安打2打点と活躍し、守備では再三素早い牽制でランナーを釘付けにしました。群馬を代表するキャッチャーになると思うのでこれからのプレーも期待します。

 

 

秋季群馬県大会3回戦 高崎城南球場

前橋商 300 501 03|12 澁澤(4)、松村(3)、佐藤(1)

商大附 010 210 00|4  黛(31/3)、遠藤(32/3)、前島(2/3)、黛(1/3)

 

  前橋商   打安点    商大附  打安点

65  都 丸 413  7  狩 野 410

46  吉田晃 401  8  飯 塚 320

3   吉田蓮 520  5  川 口 410

7   戸 塚 422  3  本 多 301

2   岩 崎 532  4  高 杉 421

9   市 場 523  2  山 室 420

5   温 井 521  191 黛  300

(R8)鈴 木      (H)細 谷 100

8   新 井 300  6  小 林 100

(H) 小 松 100  (H)澤 田 110

(4) 池 田      (R) 乾  100

1   澁 澤 200  9  岩 下 100

(H) 真 藤 110  (1)遠 藤 212

(1) 松 村 110  (1)前 島

(1) 佐 藤      (9)阿 部

 

投手成績

前橋商 回  安四三責  商大附 回   安四三責

澁 澤 4  6023   黛  3.1 4132

松 村 3  2031  遠 藤 3.2 6102

佐 藤 1  2030  前 島 0.2 4013

              黛  0.1 0000

 

 

秋季群馬県大会2回戦 新田暁―常磐 柔と剛、制したのは

新田暁の先発は右オーバーの金子知。この金子知はストレートのスピード、威力は素晴らしいものを持っており、こんなピッチャーがいたのかと驚きました。ただ抜けるボールが多く、変化球も外れるボールが多かったです。

 

初回は0で終えますが、2回常磐の先頭4番綿に四球を出し、5番篠崎が送り、6番仙田がライト前ヒットで1アウト1,3塁のピンチを向かえます。7番三宅セーフティースクイズできっちり転がして、これが内野安打となり、常磐先制します。さらに2アウト満塁とし、1番成瀬がしっかりとボールを見極め押し出し2点目を加えます。

 

常磐先発は左の寶示戸。ゆっくりと足を上げ、スリークウォーター気味のフォームから左腕特有の流れるスライダーが武器です。左バッターだとやっかいになるボールですが新田暁の選手は9人中8人が右バッターでした。なので攻略はしやすいかと思いきや、寶示戸はスライダーのコントロールを間違わず低めに制球し、新田暁打線に的を絞らせません。

 

3回新田暁の先発金子知はストレート一辺倒から変化球も交えるようになり、3番坂田、4番綿を連続三振に取り、5番篠崎もセンターフライに打ち取り、初めて三者凡退に抑えます。

 

その裏、1アウトから9番井上が粘りながら四球を選び、暴投などで2アウト3塁とすると2番籾山が三遊間に転がし、これが内野安打となり1点を還します。

 

その後は両者ともランナーを出しながら踏ん張るという展開が続き、新田暁は6回に金子知から右オーバーの関口にスイッチ。この関口も金子知とまではいかないものの、威力のあるストレートとまとまりのあるコントロール常磐打線を抑えます。

 

常磐も段々と寶示戸が捉えられてきて、6回に0アウト1,2塁のピンチを向かえ、寶示戸から右のオーバーの松島にスイッチ。送りバントで1アウト2,3塁とし、この場面で松島は3塁への牽制で3塁ランナーが誘い出されアウト。続く打者も抑え、ピンチを脱します。

 

7回にも新田暁は8番豊田が塁に出て、9番井上の送りバントがフライになり、1塁ランナーも飛び出しており、ダブルプレーとなります。

 

変わった関口は4回を1安打に抑える好投を見せますが、松島も新田暁打線を1安打に抑える好投。最後も9回を三者凡退に抑え、常磐が1点差を守りきり、勝利しました。

 

新田暁は金子知、関口の両投手が非常によかったです。一冬越えてまた見てみたいチームなので期待します。

 

常磐は今年も投手陣を中心に守り勝つ野球です。内野守備陣はこの秋でしっかりとしており、さらに上を狙えるチームだと思うので自分たちの野球をしっかりとしていってほしいです。

 

秋季群馬県大会2回戦 桐生球場

常 磐 020 000 000|2 寶示戸(50/3)、松島(4)

新田暁 001 000 000|1 金子知(5)、関口(4)

 

  常 磐  打安点    新田暁  打安点

4  成 瀬 201  6  金子詞 100

5  水 沼 410  8  籾 山 421

6  坂 田 310  2  諏 訪 300

7   綿  300  5  木 幡 410

2  篠 崎 310  17 金子知 420

8  仙 田 210  3  下 山 310

3  三 宅 311  71 関 口 400

19 寶示戸 400  9  豊 田 410

(9)安 田      4  井 上 210

9  石 原 200

(1)松 島 200

 

投手成績

常 磐 回   安四三責  新田暁 回  安四三責

寶示戸 5.0 7151  金子知 5  4542

松 島 4   1100  関 口 4  1210

秋季群馬県大会2回戦 関学大附―高崎商 行ったり来たりの流れを掴むのは

シード校関学大と古豪高崎商の実力校同士の対戦となったこの試合。

 

高崎商の先発は右のオーバーの小澤。序盤はストレートが高めに浮いたり、細かなコントロールが決まらず苦労していた印象でした。関学大附は初回2アウト2塁のチャンスを作ると、4番の来須が浮いたストレートを捉え、幸先よく先制します。

 

関学大附の先発はアンダーハンドの福田。福田もボールが引っかかることが多かったです。高崎商は直後の裏、先頭の小池留に死球を与え、その後、1アウト2,3塁のチャンスを作り、4番渡邊がライトへ上手く流すタイムリーですぐさま同点とします。

 

同点とされた関学大附は3回に先頭の2番中里、3番小島の連打で1アウト1,3塁のチャンスを作ると、4番来須2打席連続のタイムリ勝ち越します。

 

その裏には福田がバッターを上手く交わす投球を見せ、初めての三者凡退。これで流れが関学大附になるかと思いきや、4回、高崎商バッテリーは変化球でカウントを取り、ストレートを決め球に使うようになり、配球を変えた直後、こちらも初めての三者凡退に打ち取ります。

 

その直後の4回裏。高崎商は先頭の7番野村が三遊間に転がし出塁すると、8番髙橋が送り、9番池田レフトへのタイムリー2ベース同点とします。さらに代打の工藤がライトへのヒットで出塁し、2番黒崎センターへの犠牲フライ勝ち越しに成功します。

 

5回は共に三者凡退となり、試合の流れが止まります。こういった試合の流れを動かすのが、5回終了後のグラウンド整備だったり、エラーだったりしますが…。

 

そのグラウンド整備直後の6回。関学大附は1アウトから6番貝原が右中間への3ベースで出塁すると、7番長島センターへの犠牲フライ同点に追いつきます。

 

関学大附エースの福田は徐々に自分のペースへ持ち込みます。6回は高崎商の打者が待ちきれず、全てフライアウトで仕留め、7回もショートゴロ2つ。2アウトから3番岡田にヒットを打たれますが、盗塁を刺し、バックも盛り立てます。

 

流れを作った関学大附は8回の攻撃。1アウトから5番河田がヒットで出塁し、2アウト2塁とすると、7番長島は抜けたスライダーを打ち、打球はぐんぐんと伸び右中間に落ち、イムリー2ベースでついに勝ち越します。

 

そのまま逃げ切りたい関学大附でしたが、先頭の4番渡邊に死球を与え、5番小池諒が送り、6番小澤をセカンドゴロに打ち取ったところで、関学大附は福田からセカンド柴田がピッチャーにスイッチ。柴田は福田とは真逆の右のオーバーでストレートで押していくピッチャーです。2アウト3塁のピンチでしたが、ストレートで押していき、今日2安打の野村を三振に取り、ピンチを脱します。

 

最終回も柴田がマウンドに上がり、2アウトから1番工藤に四球で出塁を許し、続く2番黒崎に粘られますが、最後は三振に打ち取り関学大がシーソーゲームを制しました。

 

両チームまず目についたのが守備の上手さ。特に関学大附のショート中里は前後の動き、高崎商のセカンド髙橋は球際の強さが光りました。両チーム無失策で締まった試合でした。

 

高崎商のエース小澤は四球は敬遠だけの1つとストレートの制球に苦しんでいた印象ですが、変化球のコントロールがよく、特に縦に落ちるカーブは良かったです。

 

関学大附のアンダーハンドの福田も死球自体は4つ出しましたが四球は0。ボール球は多かったですが、コーナーを丁寧についていた印象です。前チームから主力で出ている選手も多くどこまで進むのか楽しみです。

 

秋季群馬県大会2回戦 桐生球場

関学大附 101 001 010|4 福田(72/3)、柴田(11/3)

高崎商  100 200 000|3 小澤(9)

 

 関学大附  打安点    高崎商   打安点

8  岡 本 400  8   小池留 100

6  中 里 430  (H8)工 藤 210

9  小 島 510  9   黒 崎 311

2  来 須 422  7   岡 田 410

7  河 田 520  3   渡 邊 311

5  貝 原 410  5   小池涼 300

3  長 島 322  1   小 澤 400

41 柴 田 310  2   野 村 420

1  福 田 300  4   髙 橋 200

(4)前 田 111  6   池 田 211

            (H) 小池翔 100

 

投手成績

関学大附 回   安四三責  高崎商 回  安四三責

 福 田 7.2 7403  小 澤 9  13244

 柴 田 1.1 0130

第99回全国高等学校野球選手権大会、2017年夏の甲子園ベスト8予想、寸評

①【北海―神戸国際大附大垣日大天理

  • 昨夏準優勝を果たした北海は昨年を経験した選手が多く残っている。3番川村、4番佐藤らの強力打撃陣が援護し、阪口、多間の投手リレーで逃げ切りたい。神戸国際大附はエースの岡野が県大会で37回を投げ、僅か3四死球の失点1と抜群の安定感。こちらも県大会4本塁打を放った猪田、打率.667を記録した森田を始め点を取っていく。大垣日大は県大会6試合で2失策20犠打の堅実な野球で勝ち上がってきた。2番キャッチャーで打率.500を記録した都筑がポイントか。天理はチームで唯一甲子園でプレーした4番の神野を中心に右サイドの碓井涼を援護したい。

②【三本松―下関国際、明桜―二松学舎大

  • 三本松はMAX144km/h右腕エース佐藤の投球に期待がかかる。チーム打率.387の打線が援護していきたい。下関国際はスタメン9人中7人が下級生。4番の鶴田を始め怖いもの知らずの勢いで勝ち上がりたい。明桜は2年生の山口航に注目が集まる。打っては4番で打率.563、投げては25回2/3を2失点と大活躍。しかし、痛めた右肩が気になる。万全な状態で臨めるか。二松学舎大はチーム打率.435の圧倒的な数字が光る。サウスポーの市川も35回40奪三振5失点と安定している。投打が噛み合えば頂点も見えてくるだろう。

③【明豊―坂井、京都成章神村学園

  • 明豊の1番キャプテンの三村は打率.667で四死球も6つある切り込み隊長。チームを勢いに乗せることができるか。坂井は県大会ではサウスポーの吉川がほぼ1人で投げ抜いた。42回を投げ6四死球と制球も安定している。京都成章のエース北山は49回60奪三振を記録し、最速146km/hのストレートとキレのある変化球で相手をねじ伏せる。神村学園は勝負強い打撃陣が援護し、エース青柳、2年生中里のリレーで逃げ切りたい。

④【高岡商東海大菅生青森山田―(彦根東波佐見)】

  • 高岡商の左腕土合は25回を投げ33奪三振5四死球と安定。MAX148km/hの2年生左腕の山田も大一番の決勝で2失点完投。厚みを増した投手陣で勝ち上がりたい。東海大菅生はエースの松本は制球力が安定している。1番の田中、4番の片山の2年生コンビを中心に点を奪いたい。青森山田は1番キャプテンの相坂の出塁が鍵。4番阿部、5番福原がキッチリ還していきたい。彦根東は2年生左腕コンビの増居、原功を始め3年生右腕の松井、吉本とバリエーション豊かな投手陣がウリ。波佐見は隅田、村川竜の2枚看板で勝ち上がった。1番ショートの村川大は注目プレイヤー。

⑤【済美―東筑、藤枝明誠―津田学園】

  • 済美はエースで4番でキャプテンの八塚が大黒柱。チーム打率4割の打線も援護していく。東筑は2年生エース石田が県大会全試合完投。粘り強いピッチングで石田伝説を積み上げていく。藤枝明誠は県決勝の23得点が目立つが基本は守のチーム。6試合で僅か3失策の守備陣がエース久保田を盛り上げたい。津田学園はチーム打率.420と打ちまくった。右腕の水谷、左腕の若林を楽にしたい。

⑤【作新学院盛岡大附松商学園土浦日大

  • 夏連覇を狙う作新学院は打線が好調。昨夏のVメンバーの3番鈴木は打率.565、8盗塁を記録している。エースの大関、春急成長を遂げた篠原がリードを守る。3季連続出場の盛岡大附も打線が好調。県10本塁打を放った打線の中心はやはり植田か。県でも4本塁打を放った。経験値豊かな平松、三浦の投手陣も魅力。松商学園は青柳真と2年生直江のWエース。9番北原、1番井領、2番渡辺、3番吉川の4人で26盗塁。27犠打も活かし足でかき回していく。土浦日大は代表トップの63得点を記録。決勝では5点ビハインドをひっくり返した粘り強い打撃をみせる。

⑥【前橋育英―山梨学院、日大山形明徳義塾

  • 3季連続出場の前橋育英は最速149km/h右腕皆川からMAX144km/hサウスポーの丸山に繋ぐ必勝パターンで逃げ切る。山梨学院はエース吉松の調子が県では上がらなかったが石井が見事にカバー。その吉松も決勝で好投した。打線も強力であり、しっかり援護していく。日大山形は県全試合二桁安打を記録。その中心は4番キャッチャーの舟生が3本11打点を放った。5季連続出場の明徳義塾は中心選手の西浦が不振だったが下位打線がカバーした。選抜での悔しさを晴らす。

⑥【木更津総合日本航空石川、開星―花咲徳栄

  • 木更津総合の注目大型左腕の山下は42回5失点と安定。ショートの峯村貴を中心に守備でも盛り立てる。日本航空石川のエース佐渡は投球回のを上回る奪三振を記録し、キレの良いスライダーが持ち味。開星は2年生エースの中村を3年生が盛り立てる。花咲徳栄は網脇、清水の2枚看板に打線の中心は3番西川。打率5割4本塁打を記録。2番千丸、4番野村、5番須永も打率4割越えと隙がない。

⑦【聖光学院おかやま山陽早稲田佐賀聖心ウルスラ

  • 聖光学院は齋藤は17回20奪三振2失点、前田は20回2/3を0四死球と安定。5番の柳沼は打率.556を記録した。おかやま山陽は決勝で8回まで無安打投球を続けた大江とMAX146km/h右腕小松の2枚看板。打率4割越えの選手も6人と強力打線で援護する。早稲田佐賀は怪我から復帰した左腕森田が19回1/3を1失点。同じく左腕の安在とともにチームを引っ張る。聖心ウルスラは2年生エースの戸郷は長身からのストレートが魅力。37回45奪三振を記録した。爆発力がある中軸がしっかり援護する。

⑦【広陵中京大中京横浜秀岳館

  • 広陵は平元―中村のプロ注目バッテリーがチームを牽引。平元は最速146km/hのサウスポー。中村は打撃が低迷していたが、準決勝、決勝で本塁打を放った。中京大中京は打率4割近いバッターがずらりと並ぶ。低迷していた4番の鵜飼に当たりが戻れば止められないだろう。計算できる投手が複数いるのも強みだ。横浜は県大会では14本塁打放った。その中でも増田は打率6割、5本塁打を放った。秀岳館は田浦、川端のレベルが高い両サウスポーが中心。経験値が高い野手陣がしっかり援護したい。

⑧【興南智弁和歌山大阪桐蔭米子松蔭

  • 興南の注目の1年生サウスポーの宮城は22回1/3を34奪三振3四死球1失点と1年生とは思えないピッチングを披露。エースの川満も21回1/3を2失点と安定している。2番セカンドの1年生根路にも注目だ。智弁和歌山は3番の2年生スラッガーの林がチームトップの10打点を記録。黒川、西川の1年生コンビも躍動していく。春夏連覇を目指す大阪桐蔭は複数投手がいるが徳山が中心になる。チーム打率.399の超強力打線がきっちり援護していく。米子松蔭は5試合で4失策の守備陣がサウスポーエースの辰巳を盛り立てていきたい。

⑧【滝川西―仙台育英日本文理鳴門渦潮

  • 滝川西はエースの鈴木がほぼ1人で投げ抜いた。鈴木が粘り、決勝で見せたここぞの一打を聖地でも放てるか。仙台育英のエース長谷川は140キロを超えるストレートが持ち味のサウスポー。佐川や西巻も控えており層が厚い。日本文理はエースの稲垣はストレートとスライダーで試合を作り、控えの2年生の鈴木はMAX148km/hの大型右腕。1番の飯田は県打率.522とチームに流れを呼ぶ。鳴門渦潮はエースの河野が28回2/3を34奪三振3失点と安定。県大会でサイクルヒットを達成した野口を中心に援護していく。

 

太字は初戦突破、青文字はベスト16、赤文字はベスト8と予想します。

前橋育英、夏の群馬県大会の戦歴

【勝ち上がり】

2回戦 高経大附 3―1

3回戦 新田暁 8―1(7回コールド)

4回戦 商大附 8―0(7回コールド)

準々決勝 常磐 4―0

準決勝 明和県央 10―3(8回コールド)

決勝 健大高崎 6―4

 

初戦の高経大附戦では先制を許すものの、その直後に同点、次の回で逆転した。3回戦、4回戦は投打ともに圧倒。準々決勝の常磐戦はサウスポー仙波に苦しむものの、終盤畳みかけ、投手陣も踏ん張り勝利。準決勝は粘る明和県央を振り切った。決勝は5季連続決勝のカードとなった健大高崎のペースを握らせず、5季連続の県大会優勝を果たした。

 

【投手陣】

この夏背番号1を背負った皆川が、6試合中5試合に先発。26回1/3を投げて30奪三振、失点3と安定。自己最速の149km/hを計測した右腕が聖地で大台に乗れるか。準決勝では怪我から復帰した吉澤が先発。8回3失点の好投を見せた。サウスポーの丸山は右肩を脱臼しながらも初戦では9回0アウト1、2塁から、準々決勝では9回1アウト満塁からマウンドに上がり1点も与えなかった。決勝でも4回からマウンドに上がり、6回2失点のロングリリーフで優勝投手となった。この夏も痺れる場面でチームに流れを呼び込む

 

投手成績 回    安  三  四  失 防御率

皆 川  26.1 14 30 8  3 0.68

吉 澤  14.1  9 10 1  3 1.88

丸 山   7.2  4  5 1  2 1.17

木 島   0.2  2  0 1  1 13.50

根 岸   0.0  1  0 1  0 ―.――

 

【野手陣】

1番の丸山が右肩脱臼、4番の飯島が左手首骨折の怪我明けと主力が故障しながらも、勝ち上がった。故障しながらも丸山は打率.353、8四死球7盗塁を記録し、トップバッターとして好成績を残した。試合まで残り日数は少ないがどこまで万全な状態で臨めるか。6番吉澤、7番小池、9番黒澤の下位打線が好成績を残しているおり、そのため、2番堀口は打率.214ながらもチームトップの10打点。3番戸部が不調だったが、戸部、飯島に当たりが出れば頂点も見えてくる。

 

  野手成績  打数 安打 本塁 打点 盗塁  打 率  OPS

(中投)丸 山 17  7  0  2  7 .353 1.031

(二) 堀 口 14  3  0 10  2 .214 .714

(捕) 戸 部 15  3  0  4  0 .200 .504

(三一)飯 島 10  3  0  0  0 .300 .764

(投中)皆 川 25  7  1  4  0 .280 .680

(左投)吉 澤 22  9  1  6  0 .409 1.045

(一) 小 池 18  7  0  4  0 .389 1.254

(右) 飯 塚 18  4  0  1  1 .222 .556

(遊) 黒 澤 14  7  0  2  3 .500 1.183

 三  北 原  7  0  0  0  0 .000 .000

選手権群馬大会決勝 前橋育英―健大高崎 5季連続決勝カード頂点はどちらに

5季連続決勝カードとなった前橋育英健大高崎の最大のライバル校対決。いずれも前橋育英に軍配が上がっています。夏の頂点、そして甲子園出場をかけた最後の対決が始まります。

 

健大高崎の先発は小野。小野は初回からエンジン全開で1番丸山をショートゴロ、2番堀口を145km/hのストレートで空振り三振、3番戸部も三振と140中盤のストレートで前橋育英打線を抑えます。

 

前橋育英の先発は皆川。初回1番安里は初球をセンター前へ運びます。得意な機動力を使い流れを持っていきたいですが、安里は1塁牽制でアウトになり、続く2番小野寺もヒットで塁に出ますが、小野寺も投球前にスタートしてしまい、皆川は冷静にランナーを追っていき、アウトにし、機動破壊を封じ健大高崎のペースにはさせません。

 

皆川は続く2回。2アウトを簡単に取りますが、そこから3者連続四球と乱れます。しかし、9番小野には外角低めいっぱい145km/hのストレートで見逃し三振に取り、ピンチを切り抜けます。

 

3回、ここまでパーフェクトに抑えていた小野ですが、1アウトから8番飯塚に死球、暴投で2塁へ行き、9番黒澤はファーストへの当たり、やや小野がベースカバーに遅れ、内野安打となり、1番丸山にも四球で満塁に。そして2番堀口には痛恨の押し出しの死球となり、前橋育英1点を先制します。2アウト後、さらに暴投で1点を加えます。

 

先制されたあとの健大高崎は直後のその裏。1アウトから2番小野寺が内野安打で出塁すると、パスボールで2塁へ。3番伊藤のセンターの当たりで、3塁へ進塁すると、さらに皆川の暴投で1点を還します

 

ランナー無しとなって4番山下がレフト前ヒットで出塁。続く5番高山が低めのボールを掬い上げ、ライト線に落ちるヒット、山下は一気にホームを突き、イムリー2ベースですぐさま同点に追いつきます。

 

4回、同点に追いついた後しっかり抑えたい小野でしたが、7番小池には四球、8番飯塚サードへのセーフティーバントの内野安打でピンチを向かえます。9番黒澤を三振に取り、健大高崎は小野からサウスポー竹本にスイッチ。しかし1番丸山に四球を与え、2番堀口は2打席連続の押し出し四球前橋育英勝ち越します

 

一気に健大高崎に流れを断ち切りたい前橋育英はその裏から皆川から難攻不落のサウスポー、背番号8の丸山をマウンドに送ります。丸山は期待通りのピッチングを見せ、テンポよく、健大高崎打線を3人で抑えます。

 

流れを引き寄せた前橋育英は5回。2アウトから6番吉澤がセンターオーバーの2ベースを打ち、7番小池が浮いたボールをライトへの3ベースでさらに1点を追加します。

 

6回にも先頭の9番黒澤が2ベースで出塁すると、1番丸山はピッチャーへの内野安打。これを健大高崎のピッチャー竹本が3塁へ悪送球。黒澤が一気にホームインをし、差を3点差とします。

 

これ以上の失点を避けたい健大高崎は竹本からセンターを守っていたエース右サイドの伊藤にマウンドを託します。2番堀口は送りバントで1アウト2塁としますが、3番戸部、4番飯島を抑え、ここは伊藤が切り抜けます。

 

丸山をなんとかして攻略したい健大高崎はその裏、先頭の5番高山がレフトへの2ベースで出塁し、1アウト3塁とすると、7番湯浅はピッチャーゴロ。これを丸山が素早く反応し、3塁ランナーをアウトとします。チャンスは潰えたかと思われましたが、1塁ランナーの湯浅が盗塁、キャッチャーの戸部の悪送球もあり、3塁まで進みます。8番安藤レフトへのタイムリで2点差に縮めます。

 

その後は丸山と伊藤の投げ合いが続き、ついに9回。

 

前橋育英は先頭の3番戸部セカンド内野安打で出塁すると、4番飯島は送りバント。そして5番皆川はショートのグラブを弾く、タイムリーヒットとなり貴重な1点を加え、再び3点差とします。

 

後が無い健大高崎。先頭の7番キャプテンの湯浅がレフトへの2ベースで出塁すると、8番安藤レフトへのヒットを放ち、湯浅はホームまで駆け抜け、1点を還します。何としてでも追いつきたい健大高崎は代打大越を送りますが、初球を打ちますが、セカンドゴロ、セカンド堀口、ショート黒澤、ファースト小池と渡り、併殺打で2アウトランナー無しとなります。そして1番安里はショートへのゴロ。ショート黒澤が1塁へ転送し、試合終了。5度目の決勝のカードも接戦を制した前橋育英2年連続3度目の頂点へ輝きました。

 

健大高崎としてはミスなどで終始試合の流れが掴めなかったのが痛かったです。それでも皆川から3イニングで6本のヒットを浴びせ、丸山からも2点をもぎ取ったのは、今年の強力打線を象徴しています。山下、高山、大柿など2年生の主力も多く、この悔しさを糧にこの次の秋から再び活躍してほしいです。

 

逆にいえば、前橋育英とすれば、健大高崎のペースに持ち込ませなかったのが大きかったです。初回に機動力を封じ、同点になったあと、すぐ勝ち越し。そして、その裏から丸山を投入し流れをシャットアウト。その後は着実に加点と試合運びが上手かった印象です。

 

強力投手陣を擁し、再び全国の頂点を狙えるチームだと思っています。前橋育英の活躍に期待しています。

 

そして、夏が終わった64チームの選手の皆さんお疲れ様でした。3年生は次の夢を、下級生はその先輩の思いを引き継いで次に向けてほしいです。

 

選手権群馬大会決勝 上毛新聞敷島球場

前橋育英 002 111 001|6 皆川(3)、丸山(6)

健大高崎 002 001 001|4 小野(32/3)、竹本(11/3)、伊藤(4)

 

 前橋育英  打安点   健大高崎  打安点

81 丸 山 211  4  安 里 410

4  堀 口 202  9  小野寺 420

2  戸 部 510  81 伊 藤 400

5  飯 島 300  3  山 下 410

18 皆 川 511  7  高 山 421

7  吉 澤 510  5  渡 口 310

3  小 池 411  6  湯 浅 310

9  飯 塚 310  2  安 藤 322

6  黒 澤 320  1  小 野 100

            (1)竹 本 100

            (8)今 井 100

            (H)大 越 100

 

投手成績

前橋育英 回  安三四責 健大高崎 回   安三四責

 皆 川 3  6231  小 野 3.2 2553

 丸 山 6  4111  竹 本 1.1 4121

              伊 藤 4   2121