どちらも好投手を複数擁し、投手戦が予想された試合でしたが、その通りになりました。
前橋育英はこの大会背番号１を背負う皆川が先発。初回いきなり先頭の坂下に死球を与え、２番水沼が送りバントでピンチを背負いますが、３番松野をファーストゴロ、４番小澤を140中盤のストレートで三振を奪います。
常磐の先発は春の大会前橋育英を８回２失点に抑えた、サウスポー仙波。この日も130前後のストレートと緩急を使い低めに集める投球で、前橋育英打線を翻弄します。初回１番丸山を三振に取ると、２番堀口、３番戸部も打ち取り、仙波も初回０で終えます。
皆川は２回１アウトから６番仙波、７番高岡を連続三振。続く３回にも８番細矢、９番三宅を三振に取り、４者連続三振を含み、３回で早くも５個の三振を奪います。
仙波も４回、先頭の２番堀口に四球を出し、３番の戸部を向かえますが、きっちりとセカンド併殺打に打ち取り、続く４番皆川の三塁線強い当たりをサードの水沼が素早く反応し、アウトに取り、仙波も持ち味を発揮します。
５回常磐は先頭の６番仙波がショートのエラーで出塁し、２アウト３塁のチャンスを作りますが、９番の三宅は三振に倒れ、得点ならず。その裏の前橋育英も先頭の５番吉澤が今日２本目のヒットで出塁しますが、６番小池はセカンド併殺打。前の回と同じく前橋育英もチャンスを作れません。５回終わって０―０。両投手全く譲らぬ展開です。
７回前橋育英の攻撃、３番戸部の三遊間の当たりをサード水沼が上手く捌き、１アウトを取ると、２アウト後、５番吉澤の三塁線の当たりをまたも水沼が上手く捌き、２つのファインプレーでチームを盛り立てます。
しかし、流れを渡さないのがエース。８回常磐の攻撃、皆川は７番高岡の代打、成瀬を三振に切って取ると、８番細矢、９番三宅も打ち取り、ここまでわずか８回２安打９奪三振と完璧なピッチングを見せます。
その裏、常磐先発の仙波も７回２安打と抑えていましたが、前橋育英は先頭の６番小池がレフトオーバーの２ベースで出塁。２アウトまで扱ぎつけますが、ボールが浮き始め、９番黒澤にはストレートの四球。１番丸山には死球を与え、２アウト満塁となります。最大のチャンスに２番堀口。２ボールから甘く入ってきたボールを捉え、均衡を破るセンターへ２点タイムリーを放ち、ついに前橋育英が先制します。
仙波からMAX146km/h右腕エースの山上にスイッチしますが、３番戸部に四球を与え、４番皆川は三遊間を破る２点タイムリーを放ち、さらに点差を広げます。５番吉澤もレフトへ今日３本目となるヒットを打ち、２塁ランナーがホームへ突入しますが、ここはレフト松下の好返球でホームタッチアウトとなります。
９回、最後のイニングにもマウンドに上がった皆川は先頭の１番坂下に今日１０個目となる三振を奪います。続く２番水沼はサードへボテボテの当たり。これをサード送球エラーで塁に出ると、３番松野、４番小澤が連続ヒットで常磐は１アウト満塁の最大のチャンスを作ります。
ここで前橋育英は難攻不落のサウスポー丸山にスイッチ。５番山上を浅いライトフライ、６番代打の中島を三球三振に打ち取り、試合終了。前橋育英が投手戦を制し、ベスト４に駒を進めました。
常磐は秋から見ていましたが、仙波、山上を中心に守備もよく、とてもいいチームでした。山上はプロからも注目されており、どの進路に進むか分かりませんが、これからも注目します。
前橋育英皆川は四死球わずかに１とコントロールも安定し、エースの貫録が出てきました。これからも厳しい試合は続きますが、どれだけのピッチングができるか、期待します。
選手権群馬大会準々決勝 上毛敷島球場
常 磐 ０００ ０００ ０００|０ 仙波(７2/3)、山上(1/3)
前橋育英 ０００ ０００ ０４Ｘ|４ 皆川(８1/3)、丸山(2/3)
常 磐 打安点 前橋育英 打安点
７ 坂 下 ３１０ ８１ 丸 山 ３００
５ 水 沼 ３１０ ４ 堀 口 ３１２
８ 松 野 ４１０ ２ 戸 部 ３００
２ 小 澤 ４１０ １８ 皆 川 ４１２
９３１ 山 上 ４００ ７ 吉 澤 ４３０
１９ 仙 波 ４００ ３ 小 池 ３１０
（Ｈ） 中 島 １００ ５ 北 原 ３００
３ 高 岡 ２００ （５）田 中
（Ｈ９３）成 瀬 １００ ９ 飯 塚 ２００
４ 細 矢 ３００ （９）川 端
６ 三 宅 ３００ ６ 黒 澤 ２００
投手成績
常 磐 回 安四三責 前橋育英 回 安四三責
仙 波 ７．２ ５４４４ 皆 川 ８．１ ４１10０
山 上 ０．１ ２１００ 丸 山 ０．２ ００１０
