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だいたい野球のこと

19.10.21 秋季高校野球関東大会準々決勝 桐光学園―桐生第一

初戦霞ヶ浦を4―2で振り切った桐光学園とスーパーシードで初戦となる桐生第一の一戦。

 

桐生第一の先発はサウスポーの宮下。球速こそ120前後という表示のものの、変化球もスライダーや大きなカーブを織り交ぜ、相手に的を絞らせず、ストレートもインを抉るクロスファイヤーを武器にとにかくボールを低め低めに集めていくピッチャーです。初戦となるこの試合、初回の立ち上がりが大事でしたが、セカンドフライ、セカンドゴロ2つと持ち味を発揮し、無失点で抑えます。

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桐生第一 先発 宮下

桐光学園の先発はプロも注目する安達。ダイナミックなフォームから球速130中盤のストレートと大きく曲がるスライダーが武器のサウスポーです。また制球力もよく、相手に有利にするカウントにはほとんどしません。初回1番の飯塚にのみ3ボールとしましたが、3回までボールが先行することはほとんどなく、1安打無失点に抑えます。

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桐光学園 先発 安達

先制したのは桐光学園。3回表の攻撃。1アウトから8番内囿が三遊間を抜けるヒットで塁に出ると、9番石倉が送り、2アウト2塁。1番森田は2球目の変化球を弾き、センター前へ。センター曽我がバックホームし、タイミングはアウトでしたが、ベース前で送球がワンバウンドし、キャッチャーが捕れずホームイン。1点を先制します。

 

早めに追いつきたい桐生第一は4回の攻撃。打順が2巡目に入り、安達相手にボールをじっくり見るのは無駄と感じたか、先頭の1番飯塚がカウントを取りに来たストレートを左中間への2ベースでチャンスメイク。2番曽我はバントの構えも2球失敗し、追い込まれる。4球目はバスターでショートへの強いゴロ、これをショートが捕れず、0アウト1、3塁と絶好のチャンスを迎えます。

 

そして3番加藤初球セーフティースクイズ。ピッチャー安達が処理をし、ホームへ送球しますが、セーフとなり桐生第一が追いつき、尚も0アウト1、2塁で4番廣瀬は変化球を見極め四球で満塁。5番中島は2球目の甘いストレートをレフトスタンド中段へ運ぶ満塁ホームランで一気に4点を勝ち越します。

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満塁ホームランを放った 桐生第一 中島

攻撃は緩めることなく続く6番星野は初球を叩き三塁線を抜ける2ベース。7番鈴木が送り、8番大畠犠牲フライで効率よく1点を加え、この回打者11人で6点を加えます。

 

5点のリードを貰った宮下は簡単に2アウトを取ると9番石倉にも2球で追い込みますが、ここでバッテリーに余裕が出たのか珍しく、打たせて取るというより、決めにいくボールが多かった印象。しかし3つボールを見極められ6球目を打たれ、2アウトからランナーを出してしまいます。このチャンスを活かしたい桐光学園は1番森田がヒットで続き、2番馬込が詰まりながらも、しぶとくセンター前に落とし1点を還します。

 

続く6回にも先頭の4番仲亀がレフト前ヒットで出塁すると、5番寺井は一二塁間の緩い打球。セカンド鈴木が追いつき、ファーストに送球するも、逸れてしまい、0アウト2、3塁となります。続く6番小澤はセカンドゴロ。普通の守備隊形だったため、桐光学園は1点を追加し、3点差とします。7番浅見は四球で塁に出ると、さらに盗塁を決め、1アウト2、3塁。一打出れば1点差となる場面で8番内囿は5球目のストレートを叩き、痛烈な打球。しかし、これがサード正面のライナーとなり、三塁ランナーも飛び出し、ダブルプレー桐光学園はチャンスを潰します。

 

まだ流れが残っていた桐生第一。7回、宮下が桐光学園を2回以来の三者凡退に抑え完全に流れを引き寄せると、その裏の攻撃。2番先頭の曽我がセカンドへの意表を突いたセーフティーバント。これがセーフとなります。2アウト後、5番中島が今度はライト頭上を超すイムリー2ベースで貴重な追加点をもぎ取ると、続く6番星野ライト前タイムリで5点差とし一気に勝利を引き寄せます。

 

その後も点を取り合いましたが、最後は宮下が9回を投げ抜き、桐生第一10―4選抜へ当確を決めました。

 

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試合を決めたプレーとして上げるとするならば、やはり抜ければ1点差に迫られる場面で6回のサードライナー併殺でしょうか。桐生第一は宮下の投球スタイルもあるのでしょうが、サード線はしっかり締めて長打を打たせない陣形をとっています。事実この試合は宮下は10本ヒットを打たれましたが、三遊間を抜くゴロヒットが多く、長打は僅かにライト線へのポテンヒット1本。あのサードライナーは宮下がしっかりしたコースに投げたから、あのコースに打球が飛び、ダブルプレーを掴んだと、決して運が良かったとかそういったことではないような気がします。

 

宮下の投球も見事でした。上記にも書いた通り10本ヒットを打たれましたが、長打は僅かに1本で桐光学園ビッグイニングを作らせませんでした。大崩れしなかったのも、勝因だと思います。関東大会ではサウスポーが多かったですが、その中でも投球術は長けたものがあります。まだ関東大会は終わってませんので、久々の群馬県勢秋季関東大会優勝も視野に頑張ってほしいです。

 

秋季関東大会準々決勝 桐光学園桐生第一 上毛新聞敷島球場

桐光学園 001 011 010|4  安達―石倉

桐生第一 000 600 22X|10 宮下―星野

 

 桐光学園  打安点   桐生第一  打安点

7  森 田 521  6  飯 塚 310

5  馬 込 511  8  曽 我 530

1  安 達 400  7  加 藤 401

8  仲 亀 420  5  廣 瀬 412

9  寺 井 420  3  中 島 535

3  小 澤 412  2  星 野 421

6  浅 見 300  4  鈴 木 300

4  内 囿 410  9  大 畠 311

2  石 倉 210  1  宮 下 410

(H)石 井 100

 

投手成績

桐光学園 回  安球振責  桐生第一 回  安球振責

 安 達 8  123610  宮 下 9  10113