BCリーグの選手たちにとってはアピールする絶好の機会。この試合のあとニュース記事もたくさん出てきて、スカウトたちにもいい印象を残せた選手が多いのではないでしょうか。
BCリーグ選抜の先発は石川ミリオンスターズの永水豪(嘉穂東高―明星大)。今季は11勝(リーグ4位)5敗、155回を投げて防御率2.21(リーグ7位)という成績でエースとして牽引。最速は141km/hでしたが、キレのある変化球を武器に2回を3奪三振を無失点。2番黒田をストレートで見逃し三振。折下、小山は変化球で空振り三振を奪いました。
打線は2回に速水と石川ミリオンスターズの喜多亮太(敦賀気比高―セガサミー)の連打でチャンスを作ると新潟アルビレックスBCの樋口龍之介(横浜高―立正大)のセンターへの3ランホームランで先制。喜多は今季打率.255、5本塁打の活躍。名門チームでマスクを被った経験値は高く、スローイングも正確かつ素早さがあります。今年で25歳の樋口は強打のセカンドで今年は打率.354(リーグ4位)、19本塁打(2位)の活躍を見せました。この試合ではホームラン含む2安打にセカンドでも軽快な守備を見せていました。
2番手は新潟アルビレックスBCの前川哲(新潟産大附高)。今季は25試合に登板し、8勝5敗、98回1/3を投げて防御率4.12。入団5年目を迎えた前川はオーバースローで150km/h超えを記録する剛腕投手でしたが、7月にサイドに転向。サイドに転向してからも150km/h超えのストレートも健在でこの試合もMAX153km/hを記録(記事では154km/hと掲載)。1イニング目は1失点を喫しましたが、2イニング目は140後半のストレートで落ち着いたピッチングを展開。150を連発していた1イニング目より、こちらの方が目に付きました。
5回にも打線は暴投の1点と群馬ダイヤモンドペガサスの青木颯(柏木学園高―鶴見大)の2点タイムリーで3点を追加。群馬の安打製造機の青木は今季打率.332を記録。277打数で22三振という少なさも特徴的な選手です。
3番手は石川ミリオンスターズの守護神、矢鋪翼(金沢向陽高)。30試合に登板し、防御率0.81、13セーブ(リーグ1位)を記録。130km/h前半のストレートでしたが、バッターは空振りが多く、変化球も武器に2つの三振を奪い無失点。
4番手は信濃グランセローズの高卒ルーキー宮野結希(堀越高)。今季は7試合に登板し、防御率3.15を記録。長身で長い手足から140km/hのストレートと落差の変化球を駆使し、1イニングを3奪三振。フォームはまだガチャガチャしていましたが、将来性というか、伸びしろは物凄く感じました。来年フォームが固まり、チームの主力になれば、ドラフトにかかっても不思議ではない投手だと思いました。
7回にも打線は速水、坂本のタイムリーで3点を追加。選抜の4番に座った群馬ダイヤモンドペガサスの速水隆成(桐生第一高)はキャッチャーですが、この試合はファーストで出場し、この試合3安打。今季は打率.331、14本塁打(リーグ4位)、62打点(リーグ5位)の活躍を見せました。
7回、5番手は富山GRNサンダーバーズ、有馬昌宏(青森北高―東日本国際大)。テイクバックがとても特徴的で今期は32試合に登板し、32回で42奪三振、防御率2.81。最速142km/hのストレートで三振を奪うなど無失点。
5番手は埼玉武蔵ヒートベアーズのサイドに転向し急成長した高卒ルーキー、松岡洸希(桶川西高)。今季は32試合に登板し、27回2/3で33奪三振、防御率3.58。サイド転向からの成績は見事でした。この試合でもMAX148km/hをマーク。2個の三振を奪いしっかり活躍を見せました。
9回には栃木ゴールデンブレーブスの谷津鷹明(向上高―日本体育大)、石川ミリオンスターズの神谷塁(北山高―ビッグ開発ベースボールクラブ)のヒットなどでチャンスを作り、埼玉武蔵ヒートベアーズの加藤壮太(中京高)のタイムリーでさらに2点を加えます。谷津は打率.345(リーグ7位)、神谷は打率.332、43盗塁(リーグ1位)をマーク。2人とも内外野守れるユーティリティーも持ち合わせています。大型外野手の加藤は今季打撃が開花し、打率.310、7本塁打、29盗塁(リーグ4位)を記録。この試合では3安打を記録し、守備でも俊足を活かし、好プレーを何個も見せました。
9回最後を締めたのは新潟アルビレックスBCの長谷川凌汰(福井商高―龍谷大)。今季は11勝(リーグ4位)1敗。防御率2.05(リーグ4位)。最速150km/hを記録したストレートを武器に1つの三振を奪い三者凡退。見事試合を快勝で締めくくりました。
どの選手も持ち味を発揮し、各スカウトにアピールできたのではないでしょうか。1ヵ月後のドラフトを楽しみにしています。
BC 030 030 302|11 永水、前川、矢鋪、宮野、有馬、松岡、長谷川―喜多、坂本
読売 001 000 000|1 横川、ラモス、山下亜、山上、橋本、山川、田中優、巽―小山、広畑
読 売 打安点 BC選抜 打安点
3 笠 井 200 8 加 藤 632
64 黒 田 410 7 村 松 410
7 モ タ 320 6 青 木 512
8 村 上 300 3 速 水 532
45 折 下 200 2 喜 多 310
56 比 嘉 400 (2) 坂 本 211
9 荒 井 400 45 樋 口 523
D2 広 畑 310 59 谷 津 520
2D 小 山 300 D 今 村 200
(HD)秋 庭 100
94 神 谷 430
投手成績
読 売 回 安球振責 BC選抜 回 安球振責
横 川 3 4003 永 水 2 2130
ラモス 1 1010 前 川 2 1311
山下亜 0.1 1303 矢 鋪 1 1020
山 上 0.2 1010 宮 野 1 0130
橋 本 1 1020 有 馬 1 0110
山 川 1 3133 松 岡 1 0020
田中優 1 2020 長谷川 1 0010
巽 1 3102