打線の破壊力は全国でも屈指の健大高崎。今日の試合勝てば関東大会を決めますが、相手は県内最大のライバル前橋育英。健大高崎は前橋育英に14年秋に勝利してから、15年春、16年春、16年夏、16年秋、17年春、17年夏と6連敗中です。夏に向けて苦手意識を払拭できるか、甲子園に向けて焦点になってきそうです。
前橋育英の先発は最速144km/hを誇る右オーバーの恩田。初回、1番山下は2球目を叩くと、高々と上がった打球は悠々とライトスタンドへ飛び込む先頭打者ホームランで幸先よく先制します。山下のホームランでペースを乱したか、恩田は立て続けにヒットを打たれ、打者11人、6安打5失点。健大高崎としては変化球を上手く逆方向に打つなど、ベンチの指示が徹底できていたのかな、という印象です。
健大高崎の先発は2年生の吉田。去年の秋から主戦で投げていましたが、この春は初登板。投球のほとんどが動かすボールでフォーシームは全く投げません。5点を取られた前橋育英は初回、先頭の笹澤がライトへのヒットで出塁。1アウト後、3番久保がライト前ヒット、ライトがファンブルしている間に2塁へ到達します。4番小池はファーストゴロ、この間に3塁ランナーが還り、すぐさま1点を還します。
1点を取られましたが、今日はこの吉田が圧巻でした。初回に5点という援護もあったので伸び伸び投げられたでしょう。テンポの良い投球で動かすボールを多投し、打たせて取るピッチング。前橋育英打線も打てると思ったボールが芯から外され、塁に出ても併殺で切り抜けられてしまいます。
健大高崎は4回に大柿のタイムリー、5回には高山の犠牲フライで加点。前橋育英も4回に1点を還し、5回から登板したサウスポーの石塚が4回を1失点、9回には2年生の梶塚が無失点で抑えます。
9回、5点差で健大高崎の先発吉田は1アウト1、2塁のピンチを背負いますが、代打の山野辺をサードゴロ併殺、今日3つ目の併殺完成させ、吉田は内野ゴロ15個を築き、9回73球完投勝利。健大高崎が4年ぶりに前橋育英に勝利し、関東大会進出を決めました。
前橋育英はいきなり5点のビハインドもあってか打線に焦りが生じて、なかなか得点に結びつくことができませんでした。後少ない時間でどこまで完成度を高めていくのか、注目していきたいです。
健大高崎はここまで投手陣が不安定でしたが、ここで吉田がこのピッチングをしたことでチームにも本人にもいい影響を与えるでしょう。打線は5点を先行しましたが、その後はやや消化不良。残塁が多く押しきれない印象でした。決勝、関東大会と続きますが、課題を1つずつ消化していってほしいです。
健大高崎 500 110 000|7 吉田(9)
前橋育英 100 100 000|2 恩田(4)、石塚(4)、梶塚(1)
73 山 下 211 4 笹 澤 420
6 小 林 520 6 北 原 400
4 大 越 420 9 久 保 420
5 高 山 222 2 小 池 431
2 大 柿 421 7 梅 澤 301
9 享 保 422 (H)山野辺 100
(H)柳 澤 100 3 柳 澤 300
(9)古 屋 5 剣 持 200
3 嶋 本 420 (5)森 脇 100
(7)日 野 1 恩 田 100
8 今 井 411 (1)石 塚 100
1 吉 田 400 (H)石 田 000
(1)梶 塚
8 川 原 300
投手成績
吉 田 9 7111 恩 田 4 12046
石 塚 4 1240
梶 塚 1 1010